サンフランシスコがどの程度安全であるのかを調査するため、世界中の統計家やデータアナリストが最適モデルを競い合うプラットフォーム「Kaggle(カグル)」にあるSF Police Call and Service and Incidents(サンフランシスコ市警察への電話およびサービスと事件)というデータセットを分析しました。このデータセットには長期(2003年から2017年まで)の警戒活動に関する有益なデータが多数含まれています。
「police-department-incidents.csv」というファイルをPivotBillionsにロードし、xフィールドとyフィールドの名称を経度と緯度に変更してデータを表示しました。「Resolution」(解決)の列の分布を見て事件が解決された様々な方法を確認し、それぞれの解決方法がどの程度一般的であるのかについての考えを得ることができました。
驚いたのは、「精神障害事件」の解決が約3万回も発生していたことです。これは一体どういうことでしょうか。サンフランシスコはサイコパス(精神病質者)の街なのでしょうか。たしかに有名な連続殺人犯が多い都市ではありますが、そうではないように思えます。
そこで、さらに詳しく調査するために、「Resolution」列をフィルタリングして、サンフランシスコ市警察によって「精神障害事件」として分類されたデータのみを表示しました。BIツール「Tableau」で処理が難しい「Location」列を削除することにして、フィルタリングしたデータをダウンロードしました。
Tableauで処理しやすいサイズとフォーマットになったので、データをTextファイルとしてTableauにロードし、緯度と経度の列でデータをグラフ化しました。「Address」(住所)データと「Number of Rows」(行数)データをグラフに追加し、いくつかのインタラクティブフィルタと蛍光ペンの機能を組み込みました。
このインタラクティブマップは、「精神障害事件」が発生した場所とその場所での事件の発生件数を示しています。これを見ると、サンフランシスコ北東部に事件が集中していることがわかりした。また、インタラクティブフィルタを使用すると、中央、北部、南部、そしてテンダーロイン地区が主要エリアであることもすぐにわかりました。
では、サンフランシスコはサイコパスで溢れた街なのでしょうか。いや、決してそうではないでしょう。
もう少し掘り下げてみると、こうしたいわゆる精神病理学的事件の大多数は、実際には精神障害者が関与している「非犯罪者による事件」であることがわかりました。
実際、精神障害事件の指定を受けるケースは、2014年以降ほぼなくなっています。
これは警察が不適切に分類している一例と考えられます。また、メンタルヘルス関連の事件の通報が増加しているものと思われます。サンフランシスコでは、法執行機関と精神障害者との間で過去に多くの注目すべき事件が発生しています。そのため、サンフランシスコ市警察は正しい方向に動きつつあり、「精神障害事件」の指定を制限し始めているものと思われます。
このデータの詳細を調べたい場合は、Tableau Public上の私のワークブックを参照してください。