例えば、Adobe Analytics(旧SiteCatalyst)で収集したWebログを使って広告キャンペーンの有効性を評価するとき、Webログが数十億件という膨大規模になることもあります。PivotBillionsは、大規模なデータセットの処理が可能なスケーラビリティをもち、その膨大なデータを解析するのに理想的です。
実際に試した結果は以下の通りです。Pivot Billionで20億件を超えるデータを受け取り、それらを500個のAmazon c4.largeインスタンスに数分でロードしました。その後PivotBillionsの再編成と変換の機能を使用してデータの調査を開始しました。具体的には、広告キャンペーンがデータ全体にわたってどのように機能したのかについて調べてみました。列作成機能を使用して日付列から月と曜日をすばやく抽出し(約4秒間)、最初のピボットテーブルを作成しました。
広告タイプ、月、曜日別のビューにピボットテーブルを作り変えて、この組み合わせによってインタラクティブにデータの分布を調査できるようにしました。各広告タイプが毎月どのようにトラフィックを牽引したのかを見るために、広告と月の列のデータをPivotBillionsのPivotViewのテーブルとして表示しました。
より視覚的に棒グラフにしてみました。これで、広告タイプを月別により簡単に比較することができるようになりました。
このグラフを見る限り、ソーシャルとメディアのトラフィックが8月に大幅に増加しています。夏季の数カ月に焦点を当てると、その傾向をよりクリアに見ることができます。
夏季全体の平均に対して、メディアとソーシャルは8月に6%増加しています。もともと年間を通じてトラフィックの多いタイプなので、かなり印象的な調査結果でした。
このトラフィックの急増は、8月の毎週月曜日に実施されていた「夏の終わりの広告キャンペーン」による急増の結果では、という仮説のもともう少し詳しく調査することにしました。PivotBillionsのPivotViewでデータを棒グラフで表示し、平日の数値をドラッグし、平日の数値から月曜日以外の曜日を選択解除することで、月曜日のデータをすばやく視覚化しました。
8月の月曜日に、ソーシャルとメディアのトラフィックが大幅に増加しています。この増加は8月の急増の約半分を占めます。「夏の終わりの広告キャンペーン」が8月のトラフィック急増に対して少なくとも部分的には影響している可能性がわかりました。他の曜日を再選択したところ、広告キャンペーンが一週間を通じて見込み顧客をどのように追跡したかについて、より詳細に確認することができました。
これで、8月の月曜日にソーシャルとメディアのカテゴリーにおいて非常に顕著なトラフィックの増加があったことが明らかになりました、また、月曜日の次に火曜日と水曜日にトラフィックが多く、それ以降は減少していることがわかりました。この傾向は、キャンペーン開始前の夏の早い時期には見られませんでしたので、「夏の終わりの広告キャンペーン」がソーシャルとメディアのトラフィックに多大な影響を及ぼしたと結論付けることができるのはないかと思います。
さらに広告キャンペーンを詳しく調べて、どのサイトが最もトラフィックをもたらしているかを確認してみました。プロトコル/ドメインおよび月ごとにピボットテーブルを作り直しました。ピポットテーブルを棒グラフで表示し、トラフィックが最も多いサイトが一番上に、トラフィックが最も多い月が右側に来るようにデータを並べ替えました。すると、パフォーマンスが高いサイト(総トラフィックが多いサイト)と広告キャンペーンの影響を受けているサイト(広告キャンペーンを実施した8月のトラフィックが他の月よりも多いサイト)を特定することができました。
注:この記事のプロトコル/ドメインのデータは匿名化されています
一部のサイトは他のサイトよりも広告キャンペーンの影響がはるかに大きいことは明らかです。パフォーマンスの高い5つのサイトの中でも、2つのサイトは広告キャンペーンの影響を受けておらず、1つは中程度、他の2つは大幅なトラフィックの増加を示しています。パフォーマンスが最も高いサイトはトラフィックが17%以上、パフォーマンスが3番目に高いサイトは50%近く増加しています。以上の分析により、最も効果的な広告タイプと、広告キャンペーンが最も効果的なサイトがピックアップできました。この成果は将来の広告キャンペーンのROIを改善し、適切な投資を行うのにきっと役立つでしょう。